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生命保険はいざというとき、とても役立ちます。
でも、生命保険ってどんな仕組みになっているのでしょう?
生命保険会社はどうやって収益をあげているんだろう?
気になります・・・生命保険会社のシステムについて調べました

【生命保険の基本的な考え方】
「一人は万人のために、万人は一人のために」が基本的考え方のひとつです。大勢の人々が、少しづつお金を出し合って、大きな共有財産をつくっておき、そのうちの誰かに万が一なにかあった場合、その共有財産からまとまったお金を出して、経済的に助け合うという仕組みです。つまり、生命保険は助け合いの精神で成り立っているのです。集められたお金の一部は必要な経費に使われますが、大部分は将来の保険金などの支払いのために積み立てられ、運用に回されています。運用方法は、株式や公社債などの有価証券や、企業にお金を貸すなどして運用しています。

【生命保険会社の収益システム】
生命保険会社には3つの収益源があります。

①死差益…保険会社が想定した予定死亡率と実際の死亡率の差から生まれます。

②利差益…資産運用の利回りと契約者に約束した利回り(予定利率)との差によって生まれます。

③費差益…想定した経費の見込み額と実際にかかった経費との差によって生まれます。
 
生命保険会社の収益源は、3つとも想定した率と実際の率との「差」から生まれるので、結果が良い方向に流れれば利益が出るが、悪い方向に流れればむろん、損が生じます。この利益が生まれたり損したりという流れじたいは普通の一般の企業と同じですが、生命保険会社の場合は契約者に予定利率(契約者に対して約束する運用利回り)を約束しなければならないし、20年、30年先の保険金の支払いももちろんしなければいけません。もし、想定した見込みが大きく悪い方向に流れてしまったらどうなるのでしょう?契約者への保険金の支払いができない!そんなことになったら大変です。そう考えると生命保険会社の経営は難しいですね。

『剰余金』
生命保険会社は毎年、年度末に預り保険料と支払い保険金などの収支を計算し、見込み死亡者数より、実際の死亡者数が少なかった、見込み運用収入より、実際の運用収入が多かった、見込み事業費より、実際の事業費が少なくて済んだなどという理由で、利益が出ることがあります。その利益のことを剰余金といいます。

剰余金は契約者みんなのものであり、配当金として保険契約者に還元されます。ただし、有配当保険と無配当保険があって、無配当保険には配当金はありませんが、保険料が安くなっています。また、有配当保険の中には毎年配当タイプと5年ごとに支払われるタイプなどがあります。

『支払余力がなくなったら?』
通常であれば、お金が足りなくなった!なんてことにならないようにちゃんと計算はされていますが、大災害が発生し保険金の支払いが急増、株価暴落による資産価値の下落といった予測をはるかに超える事態が起きる場合もあるでしょう。そういった不測の事態に対し、保険金を安定して支払える力「支払余力」があるかどうかを判断する材料として「ソルベンシー・マージン比率」というものがあります。この比率が200%を下回ると、金融庁が業務停止命令などを出せることになっています。

『逆ざや問題』
保険会社の収益源である「死差益」「利差益」「費差益」。この3つの中で、現在一番大きな損をしているのが「利差益(利差損)」です。バブル崩壊後の超低金利政策のもと超低金利が長年続いているため、契約者に約束した利回りを実際の運用収益でまかなえない「逆ざや」の問題が発生していて、逆ざやによる収益の圧迫で、平成9年から平成13年までに7社が破綻し、平成14年3月期決算の主要10社の「利差損」の総額は1兆2497億円に上りました。

『基礎利益』
生命保険会社は巨額の「利差損」を他の「死差益」と「費差益」でカバーし、補っているわけですが、各収益源の金額や内容については企業秘密で公開していません。しかし、2001年3月期決算から「基礎利益」を公表することになっていて、この「基礎利益」が3つの合計にほぼ等しくなっています。

★基礎利益とは一年間の保険本業の収益力を示す指標の一つで、一般事業会社の営業利益や、銀行の業務純益に近いものです。

主要10社の2002年3月期決算の基礎利益は2兆738億円でした。利差損は1兆2497億円。この利差損を埋めてなおこれだけの基礎利益を実現できたのはどうしてでしょうか?企業努力でコスト削減し「費差益」をあげたとしても、到底補えません。理由は3兆円以上の「死差益」です。

『「死差益」で利益が生まれるわけ』
生命保険会社はさまざまな商品を出しています。この商品の保険料はどうやって算出しているのでしょうか?保険料は設計の段階で、過去の死亡統計から将来の死亡者数を予測する「予定死亡率」、どのくらいの利率で運用できるかを予測する「予定利率」、経費はどのくらいかかるかを予測する「予定事業費率」の3つの「予定率」というものにもとづいて計算されています。年齢が若いほど、死亡率は低くなるので保険料は安く、年齢が高ければ高いほど死亡率も上がるので、保険料は高くなります。また、予定利率が高ければ利息が多く見込めるため保険料が安くなり、予定利率が低ければ利息が少ないので、保険料が高くなります。そういうことから現在は、低金利で予定利率が低いため、保険料が割高傾向です。そして、大きな「死差益」が発生する理由とは「予定死亡率」です。日本国民の平均余命などは戦後一貫して延びつづけています。ということは過去に見積もった「予定死亡率」よりも実際の死亡率は低くなります。また、保険加入時に健康診断などを義務付ければ、加入者の死亡率はさらに下がり、「死差益」は恒常的に発生する仕組になっています。

生命保険は長期契約。長期間の経営環境の変化に対応して生命保険会社が支払余力を保持できるだけの責任準備金の積立は必要です。現在の長期にわたる低金利によって生まれた「利差損」は、一定レベルの「死差益」の確保で埋め合わせる必要性は否定できません。

『生命保険の問題点を考える』
朝日新聞の特集記事によると、生命保険会社は「予定死亡率」算出に日本アクチュアリー会が作成する「標準生命表」の死亡率を使用しているが、この死亡率が生命保険用と年金保険用、医療保険用でそれぞれ異なっているらしいのです。たとえば生命保険用の女性の平均寿命は84.9歳なのに対し、年金保険用では93.3歳と8.4歳もの差があるそうです。生命保険では、平均寿命を短めにみれば、保険金の支払い確率は高まるから、それに合わせて保険料は高く設定しなければなりません。一方年金保険では逆に平均寿命を高めにみれば、年金の支払い見込みが高くなります。加入者全体の平均寿命が保険の種類で変わるなんておかしな話です。こういう使い分けをして生命保険会社は巨額の「死差益」を確保しているとのこと。ある一定の「死差益」は必要だとは思うがこういたことはどうかと思います。むろん、全ての生命保険会社がそうだとはいいません。中にはしっかりした生命保険会社はあると思います、剰余金は契約者みんなのものです。生命保険を選ばれる際には、こういったことにも気をつけ、顧客に還元するという意識をもった生命保険会社を選びましょう。

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